こんにちは、インテリア・建築デザイン科のgucchです
本日は、本学科1年生のみんなで、松山市味酒町にある「庚申庵(こうしんあん)」に建物見学にやってきました。ところで「庚申庵」とは・・・
寛政12年(1800年)、松山の俳人栗田樗堂(くりたちょどう)が、名利を捨て、俳諧に専念するために建てた草庵です。
栗田樗堂って、初めて耳にする方も多いのでは。
当時は小林一茶よりも名高い俳諧人だったようです。
こちら、番付表です。
こんなに大きく載っています。
ちなみに一茶は右下に小さくあるのを発見
それでは、建物見学の様子をご紹介します。
樗堂がこの庚申庵を建てるにいたって、こめた思い(=コンセプト)とは・・・
ズバリ『癒し』です!!
そしてその「癒し」を得るために、「自然・質素・静寂」な、誰にとっても平等な空間で趣味(俳諧)を共有するという思いがこの建物にあらわれています。
例えば、庚申庵のメインとなるこちらの空間は4.5帖で、床の間がありません。
つまり、上座が存在しないのです。
あと、4.5帖ということで、部屋は正方形になります。
そこで集まった人々は円を描くように座るため、また上座がなくなり、身分の違いがなく、みな平等に趣味を楽しむことができるのです。
解説していただきました、ボランティアガイドの岡部さん、力が入ります。
次に、「にじり口」風のこの開口部。
客人は、にじりにじりとかがんで入ってこないといけません。謙虚な気持ちで空間に訪れましょうという、ここでもみな平等という思いが表れています。
最後に部屋の高さ。現代の建物の天井高は2.1m以上というきまりがあります。
通常ですと、2.4mは確保されている部屋が多いでしょう。
ところが、この空間の天井高は1.8mしかありません。
女子にも、軽々手が届きますよ。
これは、昔の人の身長が低かったから!ではありません。
昔の日本の生活は、「床座」といって、直接床に座る生活だったからです。
そして、座ったときに一番落ち着く高さがこの1.8mなのです。
後ろの男子は、気持ちよさそうに涼んでますね
おまけ。当時のこんなアイテムも。
梅雨のシーズンにおすすめの、おしゃれアイテム
モデルのさとかほさん、お似合いです。
今回お世話になりました、NPO法人GCM庚申庵倶楽部さん、岡部さん、安藤さん、ありがとうございました。冷たいお茶もごちそうさまでした。
さて、明日は「古民家再生」のプレゼンテーション。
本日の見学が活かされるでしょうか。
活躍に乞うご期待☆